札沼線 札比内-豊ヶ岡

2020.2.27 札沼線 札比内-豊ヶ岡
2020.2.27 札沼線 札比内-豊ヶ岡(Nikon D800E, AI AF 80-200 F2.8D NEW)
 

小さなディーゼル列車が冬の大地を滑るように走りゆく。
雪が解ける頃には、もうこの地に列車が走ることはない。

今年の冬はどこもかしこも暖冬、暖冬。木次線にしな鉄、地鉄。高山線から只見に盤西に至るまでどこにもちゃんとした積雪が無いらしく、写真映えしない模様。では、北に飛んでみては。
札幌からほど近く、450PSの高出力エンジンを搭載しているとのことで気になっていたキハ40 400番台が主役の札沼線に狙いを定めて遠征を決定。滞在先や撮影地を考えもせず、過去の天気の統計だけをチェックして深夜テンションで航空機の片道きっぷだけ予約した。この遠征でVカットを抑えないと今年の雪カットはゼロ。Vを撮るまで帰らない、とNHKのロケ並みに気合を入れて北海道に乗り込むことを決意したのである。

中部国際空港からJL3117便に乗り込み北海道へ。しかし、ここで重大なミスが発覚した。黄色いタイムズレンタカーカードだけでは24h営業のピッとGOサービスが利用できないというのだ!しかもJL3117の到着予定は20:25。冬季なのでどこのレンタカー屋も既に閉まってしまう。しかもあすはバリ晴れ予報。やらかしたが仕方ない。鉄道移動に予定変更である。駅からは徒歩移動、札比内-豊ヶ岡で一日粘り続けることにした。
某大学に進学した優秀な友人の家に飲み代で一泊、札幌駅6:54発の学園都市線の電車に乗り込んだ。天気は最高!雲一つ見つからない。しかし、またここでもミス発覚!なんと乗車した列車より一本早い列車に乗らなかったために、「撮影」予定だった列車に「乗車」してしまうことになってしまったようであったのだ!言葉にならないほどの絶望感、誰かのせいにしたいが自分の顔しか思い浮かばない...

落ち込んだ気分のまま札比内で下車、目星を付けていた撮影予定地へと歩みを進める。国道沿いに歩くこと10分。目に飛び込んできたのは、言葉にならないほどの絶景であった。澄み渡った青空、雪化粧した山々、踏み跡ひとつない雪原。そしてそこに伸びる一条の鉄路。これぞ私が北海道に求めていた景色であった。
ブルーシートを敷いてここをキャンプ地とする!と宣言。ゲバを立ててD800EとD7100で二丁切り。美しい景色は午後になっても続いた。やがて日は傾いていき山々に陰影が付き始める。より美しい光線と稜線、北海道へと飛んだことに満足しながら何度もシャッターを切った。