2019.3.8 篠ノ井線 坂北-聖高原 189系 N102

2019.3.8 篠ノ井線 坂北-聖高原 189系 N102
2019.3.8 篠ノ井線 坂北-聖高原 189系 N102(Nikon D7100, AI AF 80-200 F2.8D NEW)
 

2019年ベストのカットは何かと聞かれたら真っ先に思いつくのが、このアルプスバックの189系である。N102編成の定期運用終了が一週間後に迫る3月某日、GPVとにらめっこしながら18きっぷを片手に中央西線に乗車。松本駅のネカフェで一泊した後、始発列車に乗り込み篠ノ井線を北上した。

撮影地に到着すると既に先客が数名、皆カメラを横に向けている。しかしこのカーブ、横構図で構えると北側に向いた車体側面の画面内の面積が大きくなり、カッコが悪い。更にカーブ内側には標識も立っており非常に邪魔である。おそらく画面対角線上にアルプスのピークと189系の顔を載せるのが最適解だろう。小生一人で優勝でござる、とボソボソ独り言を呟きながら待機していた。

やがて坂北で交換する松本方面のE257系の快速列車が通過した。いよいよ数分後には189系が通過する。時々線路に影を落とす千切れ雲のせいで動悸が収まらない。有名な坂北カーブと思われる場所で汽笛一声、と同時に踏切の警報が鳴り響く。カーブの入り口に目を凝らすと、白のボディにアイビーグリーンの帯を纏ったN102がやって来た。震える指でシャッターを切り、手応えでVカットを確信。モニターにはアルプスを背にカーブを駆ける189系が映し出されていた!私の思い描く信州L特急の姿を撮影することができ、大満足の遠征であった。

2020年、被写体が次々と姿を消してゆくなか、果たして今年はどんな鉄道情景を見ることができるのだろうか。どうしても不安や失望が先立ってしまうが、一年の始まりくらいは希望に胸を膨らませようと思う。