2018.8.22 只見線 423D 会津桧原-会津西方

2018.8.22 只見線 会津桧原-会津西方
2018.8.22 只見線 423D 会津桧原-会津西方 (D7100 AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR)
 

 いつからだろうか、ずっと只見線に行きたかった。深い山々の峡谷沿いを文字通り縫うようにして走るまさにキング・オブ・ローカル線。もうかれこれ2年以上は行きたいと思っていたと思うのだが、今年大学生となり、時間も資金も余裕が生まれたため、ようやく念願が叶った。

 私は貧乏なので18きっぷを使って実家の愛知県から福島県入り。朝、会津川口駅始発の422Dに乗って会津桧原へ。川口では濃い霧が空を覆っていたのだが、宮下からはGPVの予測通り朝陽が差し込んできた。桧原駅で自転車を組み立ててまずは超有名撮影地、只見線第一橋梁俯瞰へ向かう。
 撮影地の入り口は道の駅だった。しかも撮影地の案内看板まで設置してあった。撮影スポットまでの道もよく整備されており、かなりミーハーな撮影地の模様。誰でも撮れる写真になっちまうじゃねえか、と少々げんなりしていたが、誰もが晴れカットを頂戴できるわけじゃないし川霧が出てるかも、と自分に言い聞かせ登頂。お立ち台に到達し眼下を望むとそこには息をのむような光景が広がっていた。透き通った青空、奥の山の稜線には雲が引っ掛かり、ダム湖の水は鏡のように橋梁を反射する。これは激Vの予感!しばらくすると2両編成のキハ40がゆっくりと姿を現した。極まった!

 余談だが、前日の夜、只見線復旧工事の関係でどこも宿がいっぱいで取れなかった。川口駅も夜間閉鎖のため仕方なく近隣の道の駅で夜を明かすこととした。しかし私は両親から口酸っぱく野宿するなと言われていた。だから駅寝しながら熊やキ〇ガイに襲われて絶命しようものならかなり親不孝だと思い、道の駅で一睡もせず夜を明かすことを決意。会津川口駅で最終列車まで3時間仮眠→道の駅で徹夜という作戦を立てた。
 そういう訳で徹夜に備え会津川口で仮眠を取っていると、突然自動ドアが開いた。謎の男がブツブツ呟きながら駅舎に侵入。テーブルの上に帽子を置くと不意にズボンを下したのだった!コイツとは目を合わせてはいけない!私は咄嗟に目を逸らしたが、窓ガラスの反射でヤツの状況は手に取るように把握できる。ヤツは私の周りを歩き回った後、突然立ち尽くした。その場に沈黙が生まれ、空気は張り詰める。次の瞬間に何をしだすか分からないこの恐怖、待合室に私しかいないという絶望感。頼む、神様仏様助けて!そう祈ってどれだけ経っただろうか、駅長さんが登場、ヤツを外へ追い払ってくれた。
 駅長さんによれば、夏休みになってヤツは地元に帰ってきているらしかった。撮り鉄とは命がけの趣味であることを改めて実感させられた。

 しかし、これにて一件落着とはならず、今回の夏の東北18きっぷ撮影行脚、アクシデントはまだまだ続くのであった...