今年度から中国地方の某県に引っ越すことになった。ところで、中国地方と言えばどんな鉄道ネタが思いつくだろうか。正直なところ、何も無い。山陽本線の末期色115系や原型を留めないキハ40などアウトオブ眼中、あんなのは国鉄型じゃない！！などと絶叫していたら大学の友人である重症の鉄道オタクのI君に「JR酉日本の車両が嫌いなのに、君はなんでこの学校に来たのだい？」と言われてしまった。聞かなくても分かるだろう、全国一斉ぬりつぶし試験に失敗したからだ。もうこれ以上聞かないで(泣)
しかし、過去の事をいつまでもグチグチ言っているようでは何も前進しないので、何か手軽なターゲットを探すことに。私がまず目を付けたのは500系新幹線。戦闘機のような端正なフォルム、居住空間を犠牲にしてまで300km/hの営業運転を実現させたストイックさ、こだま化改造を受け短編成に縮小されたとはいえ、王者の風格は健在。私のファーストターゲットは500系に決定。さらに情報を探っていると前々から気になっていた500系TYPE-EVAが近々運行終了とのこと。「引退」商法に弱い鉄オタの性か。ますますモチベーションは高まった。
週末、自転車を漕いで線路端へ。余裕の到着だったと満足していたのだが、待てど暮らせどエヴァは来ない。30分経ったが来ないので時刻表を再確認してみた。あっ、しまった。発車時刻を到着時刻と間違えていた！まあ曇りだったのでどうせいい写真は撮れなかっただろう。ロケハンにはなったと考えて帰宅した。
次の週末。今度こそは500エヴァを撮ると誓い、発車時刻より20分以上早く撮影地へ行くとこにした。サイクリングを兼ねて遠回りで撮影地に向かうが、それでも余裕で撮影地に到着する...はずだった！
東広島駅前、古い外国製スポーツカーに乗っている男性が窓から身を乗り出してスマホで写真を撮っている。交差点の真ん中で停車していたものだから、後続のワゴンRにクラクションを鳴らされる始末。うわ、だっさ、恥ずかしいなーｗｗｗ。しかしクラクションを鳴らされてまで撮りたかったのは何だろう、視線をカメラの先に向けた時だった、紫色の流麗なボディが駅から静かに動き出していた。開いた口がふさがらなかった。我ながら阿呆すぎるぞ...
そうこうしているうちに運行終了の週になってしまった。どうやら今週末は曇りらしい。残りのチャンスは晴れ予報の水曜日。それも授業のない午後の一本のみ。一撃で仕留めなければならなかった。今回こそは時刻表を熟読、絶対に失敗しないよう計画した。
授業が終わって即撮影地へ。今度こそは余裕の到着、ときどきやってくる雲配給に怯えながら、何本か新幹線を撮影して腕を慣らす。さあいよいよ本命の時刻、本当のラストチャンスに緊張が高まる。震える手を深呼吸で落ち着かせ、シャッターを切った。モニターを確認し撮影成功を確認。やっと極まった！ほんの数分後、線路に雲の影が落ちた。間一髪であった。
500系エヴァを撮って丁度2か月が経った。ここ数か月、ろくに鉄道写真を撮れていない。最近の天気は雨ばかり。それに加えて中国地方を未曾有の水害が襲い、土砂崩れが多発。交通は断絶され、わが大学周辺は陸の孤島に。今日の大学は休講になり、鉄道日和の天気なのにどこにも行けない。フラストレーションは溜まる一方である...思いっきり鉄道写真が撮りたいなあ。
【2019.10.20 記事を修正】あれから一年半、すっかり西日本の車両に違和感を持たなくなった私は、今となっては更新したヨンマル、クリアテールのロクゴ、キハ120までをも撮っているのです(爆)まあさすがにゴミみたいなラッピングやステンレスのJR型はこれっぽっちも興味ありませんが。
朱に交われば何とやら、といったところでしょうか。いや、住めば都？いずれにせよ、自分自身色々と変わりましたね～
ところで、頑張って撮った500系エヴァ、今見るとあんまりカッコよくないですね...(笑)