Nikon AI AF 80-200mm F2.8D <NEW>

発売から四半世紀、ニコンが誇るいぶし銀の銘レンズ。

皆さんは「一番好きなレンズを選べ」と言われたらどんなレンズを思い浮かべるでしょうか。マニュアルフォーカスの単焦点でしょうか?最新のコーティングを施した新型レンズ?それともライカのような高級レンズ?私なら間違いなくニコンの旧型大三元望遠ズーム「Nikon AI AF 80-200mm F2.8D <NEW>」を選ぶことでしょう。もちろん世界にはこのレンズより素晴らしい描写のレンズはいくらでもあります。このレンズよりルックスがずっと魅力的なレンズも、携帯性に優れたレンズもあることでしょう。しかし、私は揺るぎません。なぜなら80-200に惚れ込んでいますから。

なんだか初めからフォトヨ〇バシの劣化コピーのような書き出しになってしまいましたが、とにかく80-200mmは心底気に入って使っているレンズで、どこに行くにも必ずカメラバックに入れているほどです。このレンズと出会ったのは確か高校2年生の時、当時写真部員の友人とああでもない、こうでもないと言いながら望遠ズームを探していたのを覚えています。しかしこのレンズを購入する前はインターネットにも情報が少なくまた、ニコンの公開しているMTF曲線によると格下の70-300mmや55-200mmよりも性能が下のように見えてしまい(詳しい理由の考察は後述しますが、少なくとも同じF値で比較すればおそらくそんなことはありません。)さらにニコンの80-200mmよりも安いサードパーティーレンズの存在もあり、なかなか80-200mmの購入を決断できずにいました。
そんな時、このレンズを選ぶのを後押ししたのは私が最も尊敬しており、鉄道写真の世界にどっぷり浸かる原因となった個人サイト「鉄路百景」(http://tetsurohyakkei.web5.jp/)でした。機材を探していた当時、鉄道写真ではなく、レンズの名前で検索してたまたまこのサイトを発見したのですが、私は公開している鉄道写真一枚一枚に度肝を抜かれっぱなしになりました。洗練された構図と計算され尽くした光線が写し出す、日本の原風景を走る鉄道写真。まさに自分が探していた理想の写真の姿でした。こんなすごい人が使っているレンズは何なんだろうか、機材の欄を見てみるとAI AF 80-200mm F2.8Dを愛用していたことが判明。俺もこんな写真が撮りたい!まずは形からでも...
こうして私の新しいレンズは鉄路百景のシグネチャー・モデル、80-200mmに決まりました。けいおん!に影響されてレス・ポール・タイプのギターを買うオタクみたいですね(苦笑)どーでも良いんですけど私は律ちゃんが好きです。
その後、80-200に決定した私は、貧乏なので当然新品を買うことはできず(20万円は大学生の今でも無理!)カメラファンやJカメラといった中古情報サイトに張り付き続けました。購入したレンズはこのレンズのアキレス腱であるA/M切り替えクラッチの故障を修理して内部清掃をしたレストア品。おぎさくにて5万円で購入しました。当時、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、今まで一銭も使わなかったお年玉を全てはたいて買ったあの時の感動を未だに覚えています。嬉しかったなあ~。

さて、自分語りはこの辺にしておいて、レンズの評価や作例に移っていきたいと思います。