2017.3.24 四日市港 DD51セメント貨物

2017.3.24 四日市港 DD51セメント貨物
2017.3.24 四日市港 (D7100 AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR)
 

 2017年3月、浪人が決まった。2年間と数か月間、部活動に精を出し続け(結果を残したとは言っていない)その後も文化祭の劇企画で大道具職人と化してクラスに貢献して、遊び続けた結果ギリギリの成績で高校を卒業したので、大学合格には箸にも棒にも触れなかった。浪人は当然の帰結といえよう。
 今となっては地方大学のしがない工学部生と成り果ててしまった私であるが、浪人が決まった3月はやる気とバラ色の将来への夢と希望に満ちていた。今まで全く勉強してこなかったんだ、県内ではトップの高校に合格して通っていた訳だし、勉強さえすれば一流大学に合格できる!!今となっては滑稽だが、当時は謎の自信に満ちていた。
 しかし、浪人の一年間、鉄活動はできないだろうと見越していた私。3月の予備校が始まるまでの数週間、何か撮ろうと企てていた。親からは泊まるのは禁止、と杭を打たれていたので、近場でリターンの大きい場所を考える、解はただ一つに定まった。
 
 DD51最後の砦となった東海エリア。関西本線近辺がメインステージであるが、魅力的な撮影地が少ない。ネットを見ても住宅地と絡んだり、良いアングルで取れなかったりとなかなか厳しい。では、思い切って四日市港まで足を延ばしてみては?ネットで画像検索を掛けると末広橋梁が良さげ。数件撮影スポットをマークして撮影地へ向かった。

 自宅から名古屋まで出て関西線へ。電車に2時間ほど揺られ四日市に到着。物凄い鈴鹿おろしに吹かれながらボロいレンタサイクルを漕ぐ。それにしても寒い。3月というのに冷たい風が肌を刺す。三重県のくせに、こんなにも寒いんだな。しかしその冷たく強烈な風のおかげで空はクリア。着雪した鈴鹿山脈系の山々が見渡せた。あとは主役のDD51が登場するだけ。しばらくすると更新色のDDがゆっくりと姿を現した。
 あれ、国鉄色が来るはずだったのにな...貨物ちゃんねるを確認すると、どうやら僕の予測は一日ずれていたようだ。まあいっか、こんな晴天の下DD51の写真が撮れたわけだし。国鉄色DD51はまた今度リベンジしよう。
 
 しかし、その妄想は夢と消えた。国鉄色DD51を追って再び四日市へ向かったものの天候に恵まれず、撃沈。浪人中は一度も足を運ぶことなく運用落ち。そしてつい先日、DD51国鉄色はラストナンバー1805も紀勢貨物ラストランを飾った853も容赦なく解体されてしまったとの一報が入った。
 国鉄色DD51貨物は夢の彼方へと葬り去られてしまったのであった。